先パイとあたし

あたしは、もう限界だった。

先パイといても、あの女のことを思い出すだけ。

先パイの後ろに、あの女の姿が浮かぶ。

あの女が、あたしを見下すように笑ってる。

『あんたから奪ってやる』

そう言うように。

あの優しい笑顔を、あの女にも向けてるの...?

あの優しい声で、あの女の名前を呼んでるの...?

あの優しい腕で、あの女を抱きしめて...

優しくキスをしてるの...?

先パイ...

あたし、もう無理です...。

もう先パイの隣にいられない...

苦しいだけ。辛いだけ。

あの女のことばかり浮かんで...。

ごめんなさい...

もう、限界です...。



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