先パイとあたし

「そうかしら?
お子ちゃまじゃない。
ずいぶんな口たたいてくれたわよ?」

変なこと、吹き込んでねぇよな?

「お前が変なこと言ったんじゃねぇの?」

「まぁ、確かに言ったかもね。
”陽太君は私がいただく”って。」

何言ってんだ、こいつ!

「お前、何言っちゃってんの?
俺とお前はそういう関係じゃねぇし。
お前に誘われてもなー。」

「あら、ひどいわね。
でも、あの子も他の男と毎日一緒よ?
転校生の崎田晴って子。」

崎田晴・・・。

あぁ、あの男か・・・。

カッコイイって噂の。

「イケメンってすごく騒がれてるものね。
あの崎田晴って子。
それに、あの子が仲良くするのは、陽太君の彼女だけみたいよ?
同じ中学らしいわ。きっと特別なのね。
何か過去にあったんじゃない?」

それで、親しいってわけか。

確かに、前にも見たな。

姫佳とそいつが一緒にいるところ。



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