先パイとあたし
授業もろくに出ないで。
家にもあまり帰らないで。
親友の柊哉の言葉さえ、今の俺の心には届かなかった。
姫佳...。
姫佳...。
何度呼んでも、姫佳に届くはずがなくて。
会いたい...。
でも、会えない。
今の俺には、姫佳に会う資格さえない。
姫佳が幸せなら、それでいい。
姫佳の隣にいるのが、俺じゃなくても。
姫佳が心から笑っていられるなら、それでいいんだ。
俺にとっての1番の幸せは、姫佳の幸せだから。