先パイとあたし

公園に着くと、先パイは来ていなかった。

先パイ、来てくれるかな...。

少し不安だった。

「ここに来るの、なんか久しぶりだなぁ...。」

この虹ヶ丘公園には、たくさんの思い出が詰まってる。

この場所は、いつもあたしを見守ってくれていた。

先パイに、告白の返事をしたときも。

先パイに、裏切られたときも。

先パイの元カノが、奈乃チャンだと知ったときも。

先パイに、別れを告げたときも。

あたしはいつだって、ここに来ていた。

ここは、あたしにとって大切な場所。

あたしが安らげる場所。

だからこそ、この場所で、先パイと話したかったんだ。



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