先パイとあたし

う、そ...!!

「遅くなってごめん!
山本に捕まっちゃってさ。」

先パイは、肩で息をしながら走ってきてくれた。

ちなみに、山本ってのは、3年の学年担当の先生こと。

「...どうして、来てくれた、んですか...?」

「”どうして”って、姫佳が”来い”って言ったからじゃん?(笑)」

あたしは、嬉しくてたまらなかった。

「姫佳?もしかして、泣いてんの?」

「えっ。あっ、いえ。」

あたしは、すぐに涙を拭って、呼吸を整えた。

そして、先パイの目をまっすぐに見て、話し始めた。




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