先パイとあたし
「せ、先パイ?!」
「俺も。
...俺だって、姫佳が好きだよ。
どうでもいいなんて、思うわけだろ。
姫佳のこと考えないときなんてなかったよ。
俺も、ずっと後悔してた。
どうして、あんなことしたんだろうって。
いくら迫られたとしても、不可抗力だとしても、拒まなきゃいけなかったんだ。
ごめんな。辛い思いさせて。苦しませて。
姫佳が幸せになれるなら、これでいいって思った。
俺が苦しむだけでいいんだ。
俺と別れることで、姫佳が幸せになれるなら。
姫佳の幸せのためなら、俺は、なんだって出来るんだよ。」
先パイは、そう言うと、あたしから体を離した。
そして、まっすぐに目を見て----