先パイとあたし

それから、トモキさんのお墓参りに行った。

「トモキさん。
俺、森園大、受かりましたよ。
トモキさんが叶えられなかった夢、俺が引き継ぎました。
だから...安心してください。」

先パイは、見たことのない表情をしていた。

あたしは、何て声をかけていいのかわからなかった。

「トモキさんのおかげで、いい人と会えたっすよ!
俺の彼女、姫佳って言います。
トモキさんについて、星蘭に入ってなきゃ、姫佳と出会うことはなかったんすから!
マジ、感謝してますよ!」

先パイは、そう言って微笑んでいた。

「姫佳もトモキさんに挨拶したら?」

「あっ、えっとー。
初めまして。姫佳です。
陽太先パイと、出会わせてくれて、ありがとうございます。
今の先パイがいるのは、トモキさんのおかげです。
これからも、先パイのこと、優しく見守ってあげてください。」

そうして、あたしたちはその場をあとにした。




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