先パイとあたし

卒業式が始まった。

1人ずつ、名前が呼ばれていく。

「青河陽太。」

担任の西先生が、先パイの名前を呼んだ。

「はい。」

いつもとは違い、制服をちゃんと着た先パイが、壇上に上がっていく。

「卒業、おめでとう。」

理事長から卒業証書を受け取っている。

あたしの目からは、涙が零れていた。

次々と名前が呼ばれていく。

「波野柊哉。」

「はい。」

柊哉先輩も呼ばれた。

隣を見ると、柚葉も泣いていた。


< 244 / 280 >

この作品をシェア

pagetop