先パイとあたし
卒業式が始まった。
1人ずつ、名前が呼ばれていく。
「青河陽太。」
担任の西先生が、先パイの名前を呼んだ。
「はい。」
いつもとは違い、制服をちゃんと着た先パイが、壇上に上がっていく。
「卒業、おめでとう。」
理事長から卒業証書を受け取っている。
あたしの目からは、涙が零れていた。
次々と名前が呼ばれていく。
「波野柊哉。」
「はい。」
柊哉先輩も呼ばれた。
隣を見ると、柚葉も泣いていた。