先パイとあたし
「崎田いるか?」
「あ。」
教室に来たのは、あいつだった。
「なんすか?」
「ちょっと良いか?」
あの時と同じ空き教室に入った。
「俺に何の用っすか?」
「この前は、サンキュ。
お前のおかげで目が覚めた。
ありがとな。」
「別に、いいっすよ。
あんたのためじゃなくて、姫佳のためなんで。」
俺は皮肉っぽく言った。
「お前も、素直じゃねぇな(笑)」
「あんたに言われたくないっすよ(笑)」
なんでか、笑いあってるし。