先パイとあたし
「陽太先輩。
姫佳が”しばらくは一緒に帰れません”って。」
「えっ?そうか、わかった。
でもあいつ、なんで俺に直接言わないんだ?」
「それがよくわからなくて...。」
「そっか。わかった。」
少しして、先パイが帰っていくのが見えた。
先パイ、ごめんなさい。
あたしがもう少し強かったら...
あたしは、心の中で先パイに謝った。
「今日もいつもの場所に来なさいよ。」
突然、サキがあたしのところに来てそう言った。
寒気がした。
また暴力を振るわれる...。
そう思っただけで、あたしは恐怖心に押しつぶされてしまいそうだった。