先パイとあたし
無理に明るく振舞って。
無理に笑って。
そんなあたしに1番に気づいたのは、お兄ちゃんだった。
島田先輩たちから暴力を振るわれたあと、
あたしは何もないかのように家に帰った。
「ただいまー。」
そう無理に大きな声を上げて。
あたしはすぐに部屋へ行った。
「ひっく...。」
そう。
あたしはもう限界だったんだ。
トントン・・・
「姫佳?」
「・・・。」
あたしは返事もせず、声を押し殺して泣いた。
「入るよ?」