先パイとあたし
「...ひっく...。」
あたしは、1人で泣いていた。
「どうした?何があった?」
そう言ったお兄ちゃんの声は、いつになく優しかった。
お兄ちゃんの声を聞いて安心したのだろう。
「お兄ちゃんっ...!!」
あたしはお兄ちゃんに抱きついた。
溢れ出る涙を、止めることはもう出来なくて。
あたしは声をあげて泣いた。
まるで、小さな子供のように。
お兄ちゃんは何も言わず、ただ黙ってあたしを抱きしめてくれた。
落ち着いてから、あたしはすべて話した。
誰かに話したことで、少しだけ気持ちが軽くなった。
そして次の日から、あたしは学校を休みだした。