先パイとあたし

あたしは何も考えたくなくて、ただ走り続けた。

さすがに走り疲れたころ、近くにROSEが見えた。

1人でいるのは苦しくて、寂しくて。

あたしは中に入った。

「いらっしゃいませ~。
あっ!姫佳チャン!」

「璃桜さん...。」

璃桜さんの変わらない明るい声を聞いて、落ち着いたのだろう。

あたしはその場に座り込み、泣いてしまった。

「姫佳チャン?!どうしたの?!」

ただ、悲しくて。

男が苦手なあたしが、初めて心を開くことが出来た人なのに...

やっと好きになれた人なのに...

どうしてかな...?


< 96 / 280 >

この作品をシェア

pagetop