デッドライン
「・・・ハァ」



ポリデは盛大にため息をつき、水槽に自分の手とおでこをくっつけた。



「冷たいな・・・こいつはどのぐらいの時をここで過ごしてたのだろう」



囚人に疑問を投げかけると返事をするかの様にコボコボと呼吸する囚人。

ポリデは思い悩んでた。

一生出られないと言われた監獄水槽。なのに―・・・その説が今宵で消える。囚人は今日の宵、この監獄水槽から出される。

これは政府と国の王が出した命令――王の命令は絶対だ。

ポリデは解放する事に猛反対。

なぜならば、政府らの目的は・・・
『罪悪人を世界に放ち、それを国王が倒して国王の偉大さを証明する』


馬鹿馬鹿しい計画で、もちろん国民には知らせてない。



「・・・馬鹿馬鹿しい」



そう呟くと、またもやポリデはため息をついた。



「・・・――た・・・」



その時、コボコポと呼吸音と聞き慣れない声がポリデの耳を掠めた。


驚いて見渡すも囚人と自分以外の生き物はいなかった。
< 4 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop