発情クライシス



「り…つ……?」

「……」


猫は何も答えない。


まるで今にも泣き出しそうで

なのに泣いたら怒られるから

だから我慢して耐えてるけど

けれどくるしくてくるしくて


そんな姿に胸が痛くなった。

嗚呼ちがう。痛いのは猫の筈なのに。


「……みー」

「な、に?」


か細い声に不安が過る。


いや

だめ

猫は、わらってて


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