発情クライシス



「――んじゃ、今日はここまでな」


若い数学教師の気だるそうな声がまるで悪魔の囁きに聞こえた。


ああ…、授業が終わってしまった…!

苦手な数学も今日ばかりは終わって欲しくなかった。


お昼を食べようと、次第に煩くなる教室。


ああっ!早く教室から出ないとあの人が来ちゃう!

急いでお弁当を取り出して教室の外へ――。



「どこ行くの?ヒナちゃん」


柔らかい声に体がピキーンと固まった。


そーっと振り向くと、爽やかな笑みを浮かべたイケメンさん。

茶髪の癖毛が今日も柔らかそうですね!


「み、ミナ先輩……」


教室にいる女の子たちの視線を集めているこのお方は、生徒会副会長サマ。


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