発情クライシス
屋上の貯水タンクの上
太陽があたる絶好のお昼寝スポットは冷たい風がふくこんな時期でなければ人気の場所。
まあ、さっむい今日だって気にせず寝ている猫もいるんだけど。
「リツー?」
「…ん?」
「寝てるの?」
「…寝てる」
そう答えて、ごろにゃんと私の膝に転がってきた大きい黒猫。
「……寝てなくね?」
「…じゃあ、寝たい」
いや、別に言い換えなくてもいいけどね…。
サラサラな黒髪を撫でつつ、足が痺れないか心配する。猫と言えど17歳細身男子。あたま、重い。