発情クライシス


「ご、ご機嫌いかが…ですか?」


なんてバカな質問にも先輩は爽やかに答えてくれる。


「うん、勿論今日もヒナちゃんに会えて嬉しいよ」

「あ、ははー」


そして墓穴を掘るわたし。バカ。



「で?」

「え…?」

「どこ行くの?」

「え゛」


…まさか先輩から逃げようとしたなんて言えない。


「えっと…」

「うん」

「その…………お、屋上!屋上に行こうと思ってたんです!お弁当食べに!」

「へぇ」


我ながらナイスフォロー!

…そう思ったのも束の間



「ヒナちゃんは雨に濡れながらお弁当を食べるのがポリシーなのかな?」



にっこりと微笑みながら窓を指差す。

先輩の指長いなー細いなー、なんて思いながらその指を辿ると…、


「……」

「……ん?」

「雨、ですね……」


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