発情クライシス
「……」
「……」
「……あの、ミナ先輩」
「うん?」
「そ、そんなに見られると、その…た、食べづらいのですが…」
ミナ先輩に引き摺ら…ゴホン。連れられて入った空き教室でお弁当を食べているんだけど、…前方から強烈な視線が…。
「食べてるヒナちゃんを見ていたいんだよ?」
「んぐ…っ」
そ、そんな疑問系で言われても!
しかし先輩を目の前にしてわたしが反論できるわけもなく。
ひたすらもぐもぐと食べ続けた。
そんなわたしを見ていた先輩が突然クスッと笑ったかと思うと…、
「――ついてるよ?」
わたしと先輩の間に置かれていた机に手をついて身を乗り出し
「む…?」
音もなく、わたしの唇の右端に何かが触れた。