発情クライシス
「ーー…んじゃ、今日はここまで。来週も休まず来いよー」
あっという間に時間は過ぎて、放課後になっていた。
まだ人が残る教室で交わされる秘密の話し声。
ヒソヒソヒソヒソ
こっそり話しているつもりなのか。
ーー聞かせたいのか。
突き刺さる視線。
気にすることではないのはわかっているけど、気持ちいいものじゃない。
(っていうか、不愉快だよね)
鞄を手にして、さっさと教室を後にした。
わたしは平穏に過ごしたいだけなのに。