発情クライシス
「なんで」
「いつものお呼びだしでございまーす」
「……」
むっつり不機嫌になる猫。
でも私のせいじゃないし。頼まれただけだもん。『リツ君呼んでぇー』って。
「……なんでミイが頼まれるの」
「まあ、仕方ないでしょ。どこかの猫が随時行方不明な上に、私ってば猫の飼い主…、もとい幼なじみやってるんだもん」
『ねー』と下の猫に問い掛けた。
「……」
流石に誰のことかは分かったらしい。不機嫌そうに
むっつり。
「……行かない」
「いや、行きなさいよ」
不機嫌なくせに、不機嫌なまま、猫は腹から離れない。