発情クライシス


…でもそうか。行かないのか。

じゃあ…、


「起きろー」

「…ん゛ー」


ぺちぺち猫の頬を叩いた。

もう帰ろう。


「ミイ…痛い……」

「ごめん、わざと」

「……」


にきびなんて全くない、さらさらな額にしわが寄った。

うん、ごめん。怖くないよ。


「早く帰ろうよ」

「…わかった」


しぶしぶといった風に起き上がる猫。放課後に帰るのは普通のことなのに、何でこの猫ってばそんなに学校好きなわけ。



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