発情クライシス



ぐぐぐー、と伸びをした隣を歩く猫。

無駄に高い背が余計におっきくなって…、見上げなければいけないことにちょっと納得いかない。


「リツってば、何食べたらそんな伸びるの」

「別にー、ミイと変わらないものしか食べてないけど。…あ、」

「あ?」

「……ミイにはカルシウムが足りない」

「どういう意味かな?」


しれっとそんなことを言う猫。…生意気な。私はそんなにイライラしてないって。

横の猫にそう言えば、


「まあ…、イライラはしてない」


なんて曖昧な言葉を放たれた。じゃあ何だってんだい。


「そんなことより」

「……」

「今日うち来て」


このマイペースめ。


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