発情クライシス


私と猫の家は隣同士……では流石にないけど。隣の隣の隣の隣という、やたら近い位置にある。



「たのもー」


ばーん


「……普通に入ってこれないの」

「うわ、リツに言われた」

「……」



猫の部屋の扉を勢いよく開けたら、猫はベッドに寝転がっていた。一日に何時間寝ているんだろう、この猫。


「…まあ、いいか。それよりこっち来て」


何がいいのかはわからないけど、とりあえずひらひらと手を動かしている猫に近づいてベッドに腰掛けた。

寝ている猫の足元に座ったら、わざわざ体を動かして、猫はもぞもぞ膝枕。


「なんか今日は接触が多いね」


学校でも膝枕。猫の部屋でも膝枕。

私の足を痺れさす気かこいつ。


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