それだけで幸せ

「園田さん、大丈夫ですよ」

「でも、さっきだって、藍さんは犯罪者とか、監禁とか」


ここまで、心配してくれる人がいるのは


とても、うれしいことだ


「・・・園田さん、それは仕方がないことですよ」


「・・・霧島さん」

「だって、そうでしょう?記憶がないんです。」

そう、記憶がないんだ

「起きたときに、知らない場所にいて、しかも閉じ込められて、そしたら、知らない人がいる」

それだけでもう、不安で怖くて、しょうがない

「しかも、その人は自分のことを知っていて、怪しい以外のほか何でもないですよ」


「すみません。変なことを言って」


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