Boom Boom
「っし、終わったよ!!」

やっと山積みだった資料整理を終え、隣にいるはずの心菜を見る。

「あれ、居ない。」

辺りを見回して見ても心菜の姿はなく、オフィスは沈黙を守っていた。

「心菜ー?」

あたしは心菜を探す為に椅子から立った。

すると、タイミングがいいのか悪いのか。

─ブーッ、ブーッ、ブーッ

と、マナーモードにしている携帯からメール受信の音が響いた。

その内容は。

──────────
TO.呉羽
──────────
待ちくたびれ
たから先帰る
わー。

今日も一日お
疲れさん。

 ─END─
──────────

たった2文の労いの言葉。

「なによ、ちょっとくらい待ってくれたっていいじゃない。」

心菜が帰ったなら、もう少し仕事やって帰ろうかな・・・

全く、デザイン関係の仕事になんかつくんじゃなかった。

納期が早すぎると雑になって怒られる。

納期が遅めで凝ったデザインにしたら却下される。

そしてやっと完成して持っていったらもう他で使われちゃってる。

そのパターンだ。

あたしはいつも。

 
< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop