キミのとなり。
仁の話しによると、有名な音楽雑誌の来月号に新人バンドを紹介するコーナーがあってそこにマイクロシティが載る事になったらしい。
仁のプロとしての“初仕事”だ。
すごくおめでたい事なのにどうしてだろう。
心から喜んであげられない自分がいる……。
ジャケットを羽織る後ろ姿を見ていると、なんだかこのままもう会えないんじゃないか……そんな気分になった。
“ガシッ”
私は背後から仁に抱き着いた。
「おっ、なんだよ。」
「……。」
“ギュッ…”
抱きしめる腕に力が入る。
“行かないで”
なんて言ったらダメだよね。
笑って「頑張ってね!」って送り出してあげないとね。
わかってる。
わかってるのに……離れたくないよぉ。
仁はただ黙って私の腕を優しく解き、正面からもう一度私をぎゅっと抱きしめた。
「すぐ帰るから待ってろよ。」
「……うん。」
私の頭を“ポンポンッ”と軽く叩いて仁は笑った。
そして軽く手を振ると、私を残し部屋を出て行った。
もしかするとクリスマスや大晦日やお正月を一緒に過ごせるのは、これが最後だったのかもしれないな。
こうやって始まったばかりの私たちの恋は少しづつ目に見えない何かに邪魔されてすれ違ってゆくのかな。
少し怖くなった……。
仁のプロとしての“初仕事”だ。
すごくおめでたい事なのにどうしてだろう。
心から喜んであげられない自分がいる……。
ジャケットを羽織る後ろ姿を見ていると、なんだかこのままもう会えないんじゃないか……そんな気分になった。
“ガシッ”
私は背後から仁に抱き着いた。
「おっ、なんだよ。」
「……。」
“ギュッ…”
抱きしめる腕に力が入る。
“行かないで”
なんて言ったらダメだよね。
笑って「頑張ってね!」って送り出してあげないとね。
わかってる。
わかってるのに……離れたくないよぉ。
仁はただ黙って私の腕を優しく解き、正面からもう一度私をぎゅっと抱きしめた。
「すぐ帰るから待ってろよ。」
「……うん。」
私の頭を“ポンポンッ”と軽く叩いて仁は笑った。
そして軽く手を振ると、私を残し部屋を出て行った。
もしかするとクリスマスや大晦日やお正月を一緒に過ごせるのは、これが最後だったのかもしれないな。
こうやって始まったばかりの私たちの恋は少しづつ目に見えない何かに邪魔されてすれ違ってゆくのかな。
少し怖くなった……。