キミのとなり。
はぁー、暇になっちゃったな。


時計を見るとまだ午前9時を少しまわったところだった。


 ………?


ん?


なんか忘れてるような…。


「……あぁっ!」


私は急いで隣りへ向かった。


“ピンポーン”


「……はぁい。」


しばらくしてから眠たそうな顔の晶子が玄関のドアを開けた。


「まだ寝てんの!?」


「……あれぇ、なんで千秋いんの?」


「何寝ぼけてんの!ここは仁の部屋でしょ!」


「……。」


それを聞いて晶子は目が覚めたように慌て出す。


「あっそっか!」


「で、晃は?」


ベッドにいるはずの晃がいない。


「どっか行ったのかな。」


すると何やら奥で物音がした。


“ガラガラガラ”


ん!?


部屋の中に入ってみると、パンツ一丁の晃が浴室から出てくるのが見えた。


「いや~朝風呂はいいね!」


「ちょっ!!あんた何やってんの!?」


「何って……朝シャン?」


「“朝シャン?”っじゃないわよ!何勝手に人のお風呂使ってんのよ!!」


興奮気味の私に晃は平然と答える。


「別にいいじゃーん、減るもんじゃなし、風呂ぐらいケチケチすんなよ!」


ケッケチケチ!?


今度は優雅にドライヤーで頭を乾かし始めた。


……こいつっ。


有り得ない。


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