キミのとなり。
昼過ぎになって、三人で買い物に出掛ける事になった。


デパートではバーゲンセールの為、どのフロアも人で賑わっていた。


「そういえば晃、その頬っぺたの傷どしたの?」


さっきから気になっていた事を聞いた。


すると晶子が吹き出しそうになりながら答えた。


「それがさぁ~昨日酔っ払って猫にチューしようとしたら見事に引っ掻かれちゃってさ!バカだよね~。」


あっ……タマがいたの忘れてた。


「そうなの?俺そんな事したっけ……」


それさえも覚えてないのかよ。まったくっ……


「千秋は何買うの?」


「ちょっとね~!」


途中から二人と別行動をとり、私は仁の誕生日プレゼントを探して歩いた。


昨日、祝ってあげられなかったから今日はちゃんとしてあげたくて。


夕方――


マンションに戻ってみるとまだ仁は帰っていなかった。


遅いなぁ。


手に持ったプレゼントを握りしめて部屋へ入った。


“チカチカチカチ”


時計ばかりに目がいく。


早く帰ってこないかな。


テレビをつけるとどこも正月番組ばかり。


そのうち、ウトウトと眠っていた。


気付いたら、夜9時をまわっていた。


部屋を出て仁の部屋のチャイムを鳴らしてみる。


“ピンポーン”


反応がない。



「まだ帰ってないのか。」


溜息をついて部屋に戻った。


結局その日、深夜1時まで起きていたけど仁は帰って来なかった。


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