キミのとなり。
数日後……



今日は朝から雨。



憂鬱な薄暗い雲が渦を巻いて空を覆っている。



こんな朝はメイクも髪形もしっくりこない。



気分まで憂鬱なまま出勤。



“ガチャッ”



《ガチャッ》



ドアを開けると聞こえた、もう一つのドアを開ける音。



うげっ!



というか……引越して以来、ほぼ毎朝顔を合わせている。



出勤時間が一緒なのだ。



相変わらず無愛想な隣人は、何も言わず軽く頭を下げ私の前を通り過ぎる。



顔が笑ってないっての!



またまた、本日も最悪な気分のまま出勤・・・。



私の仕事は、大手文具メーカーの事務。



毎日パソコンに向かい、同じ作業を繰り返している。



張りのない毎日だ。



昼休みを終えてデスクに戻ると、若菜ちゃんが近寄って来た。



「先輩、さっき神田さん来ましたよ!」



「弘人が?」



「なんか用事だったみたいですけど、休憩に行ってるって伝えたら帰っちゃいました。」



「……そう。」



なんだろう。

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