キミのとなり。
――午後7時



弘人の仕事が終わるのを待って二人で一緒に会社を出た。



「どこ行く?何食べる?」



さっきとは打って変わってハイテンションの私。



それでも弘人は、常に私に合わせてくれる。



その優しい所が大好き!



弘人とだったらどこでもいいよ!



ファミレスでも回転寿司でも居酒屋でも……。



ウキウキ気分でついて行くと、弘人はあるお店の前で足を止めた。



そこはアジアンテイストのお洒落なお店だった。



向かい合って席に着く。



弘人を見つめていると、思わず顔が綻んでしまう。



「……何ニヤニヤしてんの?」



「ウフフッ……幸せ!」



弘人は拍子抜けした顔でメニューに目を通す。



弘人のしぐさひとつひとつが私の胸をキュンとさせる。



弘人は正直顔がタイプ。



さわやかで笑うと細くなる目は、いつ見ても癒される。



“あいつ”の事も忘れる。



食事を終え、弘人にマンションの下まで送ってもらった。



「じゃーまたね!」



「千秋!」



行こうとした私を抱き寄せて、弘人は優しくキスをした。



「おやすみ。」



「うん、気をつけてね!」



浮かれ気分のままエレベーターに乗ると、閉まりかけのドアに誰かが手を挟んできた。



えっ!



ドアはゆっくり開く。



乗って来たのは隣のあいつだった。



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