キミのとなり。
しばらくして晃がテレビを点けた。


するとちょうどマイクロシティが音楽番組に出演していた。


“ピッ!”


慌ててテレビを消す晃。


「……。」


“マズイッ”というような顔をする晃に、晶子が小声で「バカ!」と、つぶやいた。


「……えっなんで消すの?」


私の問い掛けに戸惑う二人。


気を遣ってくれているのがよくわかった。


「あっ…いや、わりぃ。」


「えっ?なんで謝るの?」


益々困り顔の晃。


さっきまでの楽しかった空気が一瞬で重くなった。


耐え切れず私が話し出す。


「もぉ……やだなぁ!変な気遣わないでよ!私なら平気なんだからさぁ。」


顔を合わせる二人。


「……。」


黙り込む晶子の横で晃が口を開く。


「……っだよな!」


“ピッ!”


そう言うとまたテレビを点けた。


「ちょっと晃!」


晶子が晃の肩を叩く。


「変な気遣う方がおかしいんだよ!千秋が平気だって言うんだから普通にしとけばいいじゃん。」


そう話す晃の横で申し訳なさそうに私を見つめる晶子。


いつもは騒がしい晃だけど、こんな時は晃がこういう性格でよかったと改めて思ったよ。


「さぁ!食べよ!」


盛り下がった空気を再び盛り上げようとした。


バックで流れるマイクロシティの唄――


全く気にならないなんて言ったら嘘になる。


だけど……


今はただのBGM……。


そう必死に言い聞かせた。


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