キミのとなり。
オフィスに戻ると若菜ちゃんが近づいてきた。


「神田さん何でした?」


「何って別に……」


ん!?


「なっ…なんで弘人と会ってた事知ってんの!?」


私の声がオフィスに響いた。


「すいません先輩!朝来た時、神田さんが先輩の机に手紙置いてくの見ちゃってぇ。」


「それでっ……中見た訳?」


「ちらっと!」


この子は……


本当に有り得ない。


「でもでも!それもアリだと思いますよ!ジンがいなくなった今、先輩には新しい恋が必要なんですよ。」


若菜ちゃんは開き直ったかのようにそう言ってきた。


「昔の事はサラーっと水に流してぇ!……ねぇ?」


なんで目をキラキラさせてるんだ。


「っていうか、何がアリなの?」


「え?より戻すんでしょ!?神田さんと……。」


「はっ…はぁ!?そんな事一言も言ってないし!」


思わず声を張り上げた。


『ンっンン!!』


部長がこちらを睨みながら咳ばらいをする。


まずい……。


我を忘れるところだった。


私は若菜ちゃんの手を引っ張りオフィスの外に連れ出した。


「いい?余計な事しないでよね!?」


「はいはい!わかってますって~。」


ニヤニヤと楽しそうにそう言い残し中へ戻った。


こっこの子……本当にわかってるのか!?




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