キミのとなり。
シークレットライブ
仁と会えなくなって一回目の冬が訪れようとしていた。


相変わらずマイクロシティは、絶大な人気を誇っている。


“ハァ～”


白い息を吐きながら街を歩いていると、前にいた女子高生達が雑誌を手に持って騒いでいるのが目に入った。


「これだよこれ！マイクロシティ！超かっこよくない？」


最近、本当によくマイクロシティの話しを耳にする。


「噂で聞いたんだけどさ～、今度シークレットライブやるらしいよ。」


え……？


シークレットライブ？


思わず足を止めて、話しに耳を傾けた。


「えっそれどこでやるの！？」


「ファンクラブに入ってる子が入手した情報によると、たぶん昔マイクロシティが活動してたライブハウスじゃないかって！」


うそっ……あのライブハウスに来るの！？


急に胸がドキドキした。


仁に会えるかもしれない。


私はその話しを聞いて以来、毎日地元のライブハウスを覗いきに行った。


噂を聞き付けてかライブハウスは、毎日たくさんの人で賑わっていた。


あの噂を聞いてから一週間が経ったけど、未だシークレットライブは行われる様子はない。


帰ろうとした時――


「あれ～せんぱぁい！？」


どこかで聞いた声がした。


嫌な予感……。


< 140 / 554 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop