キミのとなり。
それから私は、少し積極的に行動するようになった。


廊下で弘人とすれ違うと、笑いかけ昼休みもよく一緒に食堂へでかけた。


何もなかったみたいに弘人と笑い合えている自分が不思議だった。


あんなに憎んで、顔を思い出しただけで腹立たしかったのにどうして今は……。


自棄になっているのかな。


時間が解決してくれた?


私はまだその真の理由に気付いていなかった……。


11月――


会社に着くと、若菜ちゃんと弘人が並んで私の元へやって来た。


なぜかすっかり意気投合している二人。


「先輩!」


「おはよう。」


「おはようございまぁす!いよいよ今日ですねぇ。」


「……ん?何が?」


「やだなぁ先輩!忘れたんですかぁ?」


なぜか見つめ合い微笑みを浮かべる若菜ちゃんと弘人。


「何!?なんかあった?」


「先輩のお誕生日会じゃないですかぁ~!」


あっそうか…。


今日は11月9日


私の23歳の誕生日だ。


「……やっでも、誕生日会とかいいよ!」


そんな歳じゃないしっ。


すると黙って笑っていた弘人が話出した。


「二人で密かに計画してたんだ!千秋ん家でパーッとやろうって!若菜ちゃんの彼氏も仕事が終わったら来るって!」


何勝手に計画してんのよ。


しかもなんで私の家!?


「終わったらロビーで待ち合わせって事で!」


そう言って上機嫌で弘人は去って行った。


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