キミのとなり。
「……誰からだったの?昨日の贈り物。」


“ドキッ”


話そうかどうか迷っていると弘人が聞いてきた。


「ひょっとしてジン?」


「……。」


また重い空気が流れる。


「昨日の様子じゃ、相当好きなんだな、千秋は…。」

「……。」


「……俺でも見た事ないよ、あんな取り乱した千秋。」


悔しそうにそう言う弘人。


「弘人……」


「ハイ、これ。」


弘人が小さな包みを差し出した。


「昨日のあれには及ばないけど……。」


それは弘人からの2度目の誕生日プレゼントだった。


「ありが……」


受け取ろうとした時、急に弘人が顔を近づけてきた。


えっ……



“バッ!”


私の身体は、無意識にそれをかわした。


「あっごめっ……」


慌てて謝る。


弘人はうつむいたまま何も言わなかった。


「……ごめんなさい。」


「どういう意味で?」


「えっ?」


「今キスを避けた事?それとも……俺とは付き合えないって事?」


弘人の鋭い指摘……。


私は自分の気持ちを包み隠さず弘人に話す事にした。


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