キミのとなり。
魅惑の新入社員
翌朝、珍しく仁は私と同じ時間に家を出た。
マンションの下には既にマネージャーの車が仁を迎えに来ていた。
「そんじゃ行ってくるわ」
いつものようにニット帽を目深に被りサングラスをした仁が軽く私に手を上げた。
「……うん!いってらっしゃい。」
今日はドラマの顔合わせ。
一歩外へ出ると仁は違う世界の人間になる。
いつも背中を見送る時、私の胸は不安でいっぱいになるんだ。
もう帰ってこないんじゃないか……そんな風に思えてくる。
「っ…ねぇ!!」
思わずその背中を呼び止めた。
車に乗りかけていた仁は私の声に足を止めて少し振り返る。
「…………」
呼び止めたものの…特に何を言うでもなく……。
何も言わない私を見て、仁は不思議そうに近づいて来た。
「なんだよ。」
なっ何って……自分でも何がしたいのかわからない。
「…………」
長い沈黙が続くうち、仁は辺りをキョロキョロと気にし出した。
そうだよね……。外で女と一緒の所誰かに見られたらまずいんだもんね。
「…ごっ」
“ごめん、行って!”
私がそう言おうとした時だった。
一瞬、車内のマネージャーが私たちから目を離したのを見計らって、仁は顔を近づけいきなり私の唇にキスをした。
本当に瞬きをする暇もないくらい一瞬の出来事だった。
「……ちょっ!?」
驚いて尻込みする私に、仁は少年のようないたずらな笑顔を見せた。
「ボケッとしてんなよ。」
そう言って私のおでこを突くと、「んじゃな」とまた私に背を向けて車に乗り込み去って行った。
まさに胸を撃ち抜かれたような衝撃を受けた私は、放心状態のまま仁を見送り会社へ向かった。
マンションの下には既にマネージャーの車が仁を迎えに来ていた。
「そんじゃ行ってくるわ」
いつものようにニット帽を目深に被りサングラスをした仁が軽く私に手を上げた。
「……うん!いってらっしゃい。」
今日はドラマの顔合わせ。
一歩外へ出ると仁は違う世界の人間になる。
いつも背中を見送る時、私の胸は不安でいっぱいになるんだ。
もう帰ってこないんじゃないか……そんな風に思えてくる。
「っ…ねぇ!!」
思わずその背中を呼び止めた。
車に乗りかけていた仁は私の声に足を止めて少し振り返る。
「…………」
呼び止めたものの…特に何を言うでもなく……。
何も言わない私を見て、仁は不思議そうに近づいて来た。
「なんだよ。」
なっ何って……自分でも何がしたいのかわからない。
「…………」
長い沈黙が続くうち、仁は辺りをキョロキョロと気にし出した。
そうだよね……。外で女と一緒の所誰かに見られたらまずいんだもんね。
「…ごっ」
“ごめん、行って!”
私がそう言おうとした時だった。
一瞬、車内のマネージャーが私たちから目を離したのを見計らって、仁は顔を近づけいきなり私の唇にキスをした。
本当に瞬きをする暇もないくらい一瞬の出来事だった。
「……ちょっ!?」
驚いて尻込みする私に、仁は少年のようないたずらな笑顔を見せた。
「ボケッとしてんなよ。」
そう言って私のおでこを突くと、「んじゃな」とまた私に背を向けて車に乗り込み去って行った。
まさに胸を撃ち抜かれたような衝撃を受けた私は、放心状態のまま仁を見送り会社へ向かった。