キミのとなり。

昼休み----


「どうせまた事務所の仕業だよ！！」



ガブッ



昼休み私はまたいつものように屋上で猛獣のようにパンに噛り付く。



「まぁまぁ、落ち着けよ」



横で弘人はいつものようにひたすら聞き役に徹する。



「だってムカつくもん！あわよくばあの女優と仁をくっつけようとか思っちゃってるのがバレバレだもん！！」



ズズズズーッ



一気に牛乳を飲み干す。


「考え過ぎだろ～まさかそこまで姑息な手は使わないんじゃねぇ？」



「弘人は知らないからそう言えるんだよ！あの佐田って人はほんっとに冷徹人間なんだから！」



思い出しただけでも腹わた煮え繰り返る！



そう！あの人のせいで私たちの順調だった交際は徐々に陰り始め、おまけに仁は海外にまで行かされ、私達は無惨にも引き離されたんだ……。



未だに隙あらば私たちを別れさせようとあれこれ策を練っているようで怖い。



「まっ、だとしても大丈夫だろー」



私の隣で足を組み、何故か自信あり気に弘人がそう言った。



「…え？」



「そんな事でダメになるような柔い関係じゃねぇだろ？……千秋とジンは。」



「……弘人。」



弘人のまぶしい笑顔が私の不安定な心を解きほぐしてくれそうだった。