キミのとなり。

「あっ！で、聞いてくれた？」



「ん？」


「結婚式の件。」


「…あっ」


しまった……。



ドラマの事聞かされて頭いっぱいで忘れていた。



「何、忘れてたの？」



「ちがっ！違うの！ホラ、なかなか仁と時間が合わなくてぇー」



「……の割には、ドラマの話しとか色々してるんだな～」



あっ…


パンッ！


思わず顔の前で両手を合わせる。



「ごめん！今日は聞く！絶対聞いとくから！」



「…………」



「…………」




「プッハハッ！いいよ別にー急いでるわけじゃねぇし暇があったら聞いといて？」


そう言ってベンチにもたれ込む。



あぁー私こんなに不器用だったっけ……



自分の事で精一杯で弘人の事考える余裕さえなかった。


私が自己嫌悪に陥っていると背後で声がした。



「それどころじゃ…ないだろぉし…」



「えっ……？」



バシッ！



私の心境を全て見抜いているかのような顔で思いっきり私の背中を叩いく。



「しっかりしろよ～！自信持てって。」


「……うん」


「お前、結構いい女だと思うよ？」



ドキッ…



「フフッ社交辞令だけど～」


照れ隠しなのかそう言って立ち上がる。



「…っもお！」



「ハハハッ…」



いたずらな笑顔。


時々まだ弘人の仕草にドキッとなる自分がいる。



とくに昔から好きだったその笑顔には滅法弱い……。



素敵な結婚式になるようにお手伝いしてあげなきゃ。


でも…


ジンはなんて言うかな……