キミのとなり。
『ふざけんな!』



その声にソファーで寝ていたタマがビクッと身震いをして目を覚ました。



「お前、俺をバカにしてんのか!!」



「バッバカになんてしてなっ」



「なんで俺がお前の元カレの結婚式の盛り上げ役なんだよ!」



衿ぐりを掴まれそうな勢いに思わず尻込みする。



「だっだからそれは……。べっ別に今は友達なんだし関係なくない?ハハッ!」



「何笑ってんだよ。」



ヤバイ。火に油を注いだ感じ。



「とにかく、断れよ!」



バンッ!


そう言って寝室のドアを閉めた。



あぁ~あ。まぁ、ある程度予想はしてたけど。



やっぱこうなるよね。



確かに考えてみれば無理な話しだよね。



仕方ない弘人には謝っておくか。



翌日、目を覚ますともう隣に仁の姿はなかった。



あれ……また仕事か……。



ずいぶん早くに出たんだな。



私は一人朝食を済ませて家を出た。



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