キミのとなり。
昼食の時間になって、財布片手に食堂へ向かった。



『あっ小原さぁん、こっちよかったらどうぞ～！』



と、20歳前後の若い女性社員数人のグループに手招きされ、私は笑顔でその輪の中に入れてもらった。



こうして若い人たちに囲まれていると入社したての頃を思い出す。



毎日お遊び気分で出社して言われた業務を終え、こうしてよく食堂で集まりやってくる男性社員の話しで盛り上がったものだ。



昔も今もそれは変わらない。



『あっ！来たよ！開発部の神田さん。』



ん？



『ほんとだ！！』



入口から入ってきた弘人を見て一斉に彼女達が騒ぎ出した。



へぇ～結構人気あるんだなぁ。



まぁ弘人は昔から女性社員に人気あったけどね。



確かに男前だし仕事もデキルし。



私は頬杖をつきつつ第三者の目線で弘人に目をやる。


『あっ今こっち見た～！』


彼女らのうちの一人が小声でそう話した時だった。



私に気付いた弘人は軽く手を振って私に笑いかけた。


それに答えるように手を振り微笑み返すと、その様子を見た彼女達が驚きの声を上げる。


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