キミのとなり。
キッチンの冷蔵庫から冷水を取り出しゴクッと一飲みした時、テーブルの上の置き手紙にがある事に気付いた。



ん?なんだろ。



そこにはこう書かれていた。


《今日も朝一でドラマの仕事があるから行くわ 仁》


はぁ~、またさくらちゃんと仕事かぁ。



きっと今は、私より彼女の方が仁と濃密な時間過ごしてるよね。



紙を置きかけた時下の空白に何か乱雑に書き加えられている事に気付く。



そこにはこう付け加えられていた。



《お前酔うとヒドイのな》


えっ……!?



痛む頭で必死に理解しようとしたが、やはり記憶にない。



私、何やらかしたの!?


夕方、まだ少し痛む頭を抱え買い出しに出た。



私一体どんだけ飲んだんだろう。



お酒に強い体じゃないのに、自分で思ってる以上にストレスが溜まってたのかな。


近くのスーパーに立ち寄り夕飯の買い物を始める。


私はこうやっていつも、いつ帰るかもわからない仁の為に夕飯を作る。



一緒に食べられなくても仁はちゃんと私が寝静まった後、レンジで温め直し食べてくれる。



そのさりげなく優しい所が大好き。



重い買い物袋を二つ下げて元来た道を戻る。



マンションの前まで来た時後ろから車のクラクションが聞こえた。



おぉっ…なんだ!?



すると背後から黒いワンボックスカーが勢いよく私の真横に停車した。



なっ……なに!?



車のドアが開いたかと思うと次の瞬間すごい剣幕で誰かが降りてきた。



ひぇ~拉致られるぅ。



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