キミのとなり。
「おっおまたせ。」



「ずいぶん遅かったな!」



“な?”



なんでいきなりため口!?


引っ掛かる気持ちを押さえつつ説明を続ける。



「じっじゃあー次は、とっとりあえずこの階から案内します。」



早足で先を急ぐ私の後ろから、桜井君が話し掛けてくる。



「ねぇ、さっきの男って小原さんの彼氏?」



ピタッ



思わず足を止めた。



「は?」



「なんか親しげに話してたから彼氏なんかなってっ思ったんやけど。」



「ちがっ!」



ゆっくり顔を近づけてくる。


「なーんや、違うんか。」


「ひっ弘人はただの友達……。」



ん?



今なんか変じゃなかった?


「ふぅん、そうなんや。」


あれ!?



やっぱり変。



「あのぉ~。」



私は恐る恐るその事実に確認をとる。



「あなた、どこの人?」


私の問い掛けに一瞬キョトンとした後、彼はこう言った。



「大阪やけど……。」



「やっぱり!?なんかちょくちょく引っ掛かると思ったのよね。」



急になぜか私は緊張が解けたかのように話し出した。


「初めてだなぁ~真近で見る関西人。」



「えっ?そうなん?」



「うわぁ~超新鮮!!」



ヤバイ!なんだか楽しくなってきた。



私は先輩である事を忘れ廊下を歩きつつ彼と色んな話しをした。



「あっなんか大阪弁教えて?」



「えー?ん~ほんなら、まずは基本から!」



彼は立ち止まり私の肩に突っ込みを入れる。



『なんでやねん!』



「うわぁ~本物だぁ!」



彼の真似をして言ってみるがなかなかイントネーションが合わない。徐々に彼の教え方にも熱が入りだした。



関西人って面白い。


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