キミのとなり。
マンションの下まで若菜ちゃんを見送りに降りていく。



「お邪魔しました。」



「あっうううん、ごめんねっなんか。嫌な思いさせちゃって……本当、愛想ないんだから!!」



私が謝ると若菜ちゃんは優しく微笑んで首を横に振った。



「大丈夫ですよ先輩。」



「へっ!?」



「覚えてます?この前先輩が酔い潰れて眠っちゃった日の事……。」




「えっ……、私あの日酔い潰れて寝ちゃったの!?」



全く記憶にない事を聞かされた。



「あの日ジンさんに迎えに来てもらった時、先輩寝言で愚痴っちゃって。」



「えぇっ!?」



「一緒にデートもしたい、手を繋いで歩きたいよ~!って泣きわめいて。」



私はその事実に顔面蒼白だった。



「うっ嘘!?私そんな事言ったの!?」



「ジンさん黙って聞いてましたよ。」



若菜ちゃんは優しく微笑みながらそう話す。



「きっと痛いぐらいわかってくれてますよ!先輩の気持ちは。」



「……若菜ちゃん。」



そう言うと「おやすみなさい!」と、大きく手を振って去って行った。



「あっ気をつけてね!また、明日~!」



・・・なんか、気まずいな。




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