キミのとなり。
部屋に戻ると、ちょうど仁がシャワーを浴び終わったところだった。



濡れた髪をタオルで拭きながら出てきた仁は一瞬、玄関の私に目をやる。



私の脳裏に、さっきの若菜ちゃんの話しが過ぎりにやける顔を更に赤らめる。



仁は冷めた声でボソッとつぶやいた。


「なんだよ。気色わりぃ。」


「べっ別に!」


動揺を隠すように仁の前を通り過ぎた。



後ろから首を傾げて仁がついてくる。



仁は冷蔵庫を開けて缶ビールを取り出した。



「珍しく飲むの?」



「いる?」



仁は私に缶ビールを差し出しそう言った。



「あっ頂いちゃおっかな~。」



グラスを用意して小走りで仁の真横に腰掛けると、仁は缶ビールの蓋を開けながらこう言った。



「愚痴んのナシな。」



「……。」



私は恐る恐る聞いてみる事にした。






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