キミのとなり。
一人ランチを終え、会社に戻る。


ロビーを歩いていると受付で弘人を見つけた。


どうやら彼女と話しをしているようだった。


すると弘人はこちらに気付き彼女に軽く手を振り別れると私に声をかけてきた。


「よぉっ。」


私がちらっと彼女に目をやると、弘人の背後から彼女がにっこり笑って軽く頭を下げた。


さすが評判の美人受付嬢。笑顔がキラリッ!


私もそれに答え軽く頭を下げる。


「あれ?どっか行ってたのか?」


「あっうん、ちょっとランチしに。」


「ふぅん。」


「それよりいいの?彼女、まだ話しの途中だったんじゃない?」


「やっ、もう済んだから。」


そう言って、弘人は彼女に手を振り私ももう一度軽く会釈して二人でエレベーターに乗り込んだ。


「そういやーどうだ?例の新人君は。」


タイミングよく桜井君の話しをし出す弘人。


「まぁ、色んな意味で大変だけど…それなりにやってるよ。」


「まさか惚れられたりしてないよなぁ?」


ギクッ…!


「なんかあぁいうタイプって千秋みたいなひ弱そーなとこ狙ってきそうな気がすんだよなぁ。」


私、ひ弱か?


「でも、いまいち本気で言ってんのか……わっかんないんだよね~。」


隣で首を傾げる私を弘人は不思議そうに見ている。


「えっ……何その微妙な返しは。」


え?

あっ……ついぽろっと考えてる事が出てしまった。


「えっもしかしてマジでなんか言われた!?」


「言われたって言うか~……言われたの…かな?」


その内、商品開発部の階に着いてエレベーターのドアが開いた。


「なんだよややこしいな!もっと的確に言えよ的確に!」


「あっ、着いたよ!下りないの?」


「下りるけど……。」


後ろ髪を引かれる様子でエレベーターを下りた弘人はパッと振り返りこう言った。


「今の続き、明日の昼に聞くからな!!空けとけ?いいな!」


「はぁい。」


ガチャンッ


妙な熱の入りようだな。


でも、男目線の意見も聞きたいしちょうどいいか。





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