キミのとなり。
後ろから着いて来ない私に気付いた仁が立ち止まり振り返る。
「早く来いよ。」
「やっ……だって。」
仁は座り込んだまま動かない私の元へゆっくり近づいてきた。
そしてしゃがみ込み、俯く私の顔を覗き込む。
「腹でも痛いんか?」
「……ちがう。」
「じゃーなんだよ!」
「だってまずいでしょ、一緒に中に入るとこ誰かに見られたら……。先に行って。」
すると仁は下を向き「ハァー」と溜息をついた。
仁は私の左肘の辺りを掴むとググッと私を引っ張り上げる。
「早く立て!」
されるがままゆっくり立ち上がった。
仁はそのまま私の手を引いてマンションの入口へ入って行く。
その間も私は気が気じゃなかった。
もしマスコミにでも撮られたら大変な事になる。
《仁と付き合うって事は仁のアーティスト生命も半分受け持つって事なのよ!》
いつか佐田さんが言っていた事が頭を過ぎる。
キョロキョロと不安げに周りに目をやる私に気付き仁が足を止めた。
「………。」
仁は私に背を向けて立ち止まったまま黙っている。
「どっどうし……っ」
言いかけたその時、仁はゆっくり頭に被ったパーカーを脱いだかと思うと、突然振り返りいきなり私にキスをした。
「早く来いよ。」
「やっ……だって。」
仁は座り込んだまま動かない私の元へゆっくり近づいてきた。
そしてしゃがみ込み、俯く私の顔を覗き込む。
「腹でも痛いんか?」
「……ちがう。」
「じゃーなんだよ!」
「だってまずいでしょ、一緒に中に入るとこ誰かに見られたら……。先に行って。」
すると仁は下を向き「ハァー」と溜息をついた。
仁は私の左肘の辺りを掴むとググッと私を引っ張り上げる。
「早く立て!」
されるがままゆっくり立ち上がった。
仁はそのまま私の手を引いてマンションの入口へ入って行く。
その間も私は気が気じゃなかった。
もしマスコミにでも撮られたら大変な事になる。
《仁と付き合うって事は仁のアーティスト生命も半分受け持つって事なのよ!》
いつか佐田さんが言っていた事が頭を過ぎる。
キョロキョロと不安げに周りに目をやる私に気付き仁が足を止めた。
「………。」
仁は私に背を向けて立ち止まったまま黙っている。
「どっどうし……っ」
言いかけたその時、仁はゆっくり頭に被ったパーカーを脱いだかと思うと、突然振り返りいきなり私にキスをした。