キミのとなり。
嫉妬=好きの証拠
――グアムの夜


私たちは浜辺でバーベキューをすることにした。


仁と晃が外で火をおこしている間に、私と晶子は部屋で材料を切り分ける。


すっかり私と仁にも慣れた睦月ちゃんは、初バーベキューで嬉しそうに晃の側ではしゃいでいる。


「よかった、なんともなかったみたいで。」


横で晶子がそう言った。


「え?」


「電話の件。」


「あっあぁ~。あれね、やっぱ誤解だった。」


私は事の経緯を晶子に説明した。


「やっぱり、そんな事だろうと思ったよ~。」


「へへっ…」


「第一、前にみんなで鍋した時、“俺は浮気は絶対しない!”って断言してたじゃん!それでしてたら幻滅だよ!」


なんだか晶子の言葉にホッとした。


仁が浮気したかもって想像しただけであんなにパニックになって……


本当にそんなことになったら私、死んじゃうんじゃないかと思うぐらいだった。


「でも、仁さん変わったね。」


晶子が野菜を丁寧に切り分けながらそう言った。


「え?そうかなー。」


「久しぶりに会ってびっくりした。もうすっかり有名人だしもっとこう……ツンツンした感じかと思ってたらあんなに優しい目……、別人みたい。」


「そう……かな。」


自分の事のように恥ずかしかった。


「きっと千秋の影響だね。」


「え?」


「だって普通あんなに華やかな世界に居ればさ、周りに綺麗な人もたくさんいるわけだし、下積み時代支えた女なんかただの踏み台みたいにしていく奴だっているわけじゃん!」


下積み時代ってなんか、芸人みたいなんですけど。


グサッグサッと何故か興奮気味に包丁を扱い出す晶子。


「でも仁さんは、そんなもん見向きもせずに変わらず千秋だけを見てて。本当に優しい目で笑いかけてるのを見てるとさ、思うよ。」


「え?」


「千秋を心底大事に思ってくれてるんだなぁって。」


胸がキュンッとした。


晶子にそう言われて改めて今、本当に毎日幸せを噛み締めて生きている事を実感する。


それが途切れないように、一生続くように、もっともっと努力しようと思った。


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