キミのとなり。
「カンパーイ!」


誰もいない浜辺に私たちの声がこだまする。


なんて贅沢なひととき。


いつかもこんな風にみんなで御飯を食べた事があったな。


今は晃と晶子の間に睦月ちゃんがいる。


その、今となっては当たり前の光景を眺めていて、時の経つ早さを思い知る。


その時、晃が口を開いた。


「ところでお二人さん、結婚は?」


えっ…!


晃の突拍子もない発言に一斉にみんな箸が止まる。


晃の発言にはいつもドキドキさせられっぱなしだ。


気まづい空気に耐え兼ねて、すかさず晶子がフォローする。


「この二人はあたしたちみたいな訳にはいかないでしょ!?結婚となれば色んな問題もあるし……。ねぇ!」


晶子が私に話しを振った。


「えっ……まぁ。」


なんて答えていいかわからず黙り込む。


そんな私を見て仁が口を開いた。


「……まぁ、おいおい。」


ドキッ…


“おいおい……”



そんな曖昧で不確かな仁の言葉にさえ、嬉しくて笑みがこぼれてしまう。



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