キミのとなり。
信じていいよね?
二日目の朝を迎えた。


日差しが暑い程の快晴。


「早く早くぅ~!」


街で買い物をすることになり、少しおしゃれをして部屋を出た。


「あったま痛ぇー。」


二日酔いの晃が辛そうに晶子に引っ張られて行く。


「もうちょっと寝かせろよ~!」


「バカッ!今夜帰るんだからそれまでにお土産買わなきゃ!」


そう、私たちの楽しい旅行も今夜でおしまい。


結局、仁も仕事があるし私も晃も2日しか休みがとれなかったのだ。


でも、今日はまだ始まったばかり!


精一杯楽しんで帰りたい。


繁華街に出ると目に入る人人人……。


聞いたことはあったけど、ここまで日本人ばかりだとは……。


仁はここでもやはり、帽子とサングラスが手放せない様子だった。



「ねぇ、ここからは二手に別れようよ!」


晶子がそう提案を出した。


「おっ賛成!じゃっ行くか晶子!」


晃は睦月ちゃんを抱いて行こうとした。


「違ぁう!!」


「……へ?」


晶子は晃から睦月ちゃんを奪い返すと私の真横にやってきた。


「女は女、男は男!!」


「えぇ~!!そんなぁ。」


晃が崩れ落ちた。


渋る晃と全くどうでもよさそうな仁と別れて私たちは買い物を始めた。


「なんで別々にしたの?」


私がそう聞くと晶子はちらっと後ろを振り返り晃がいない事を確認した。


「実はさー、明日晃の誕生日なんだ。だから、プレゼント内緒で買おうと思って。」


ポッと赤らんだ顔で恥ずかしそうにそう話す晶子。


結婚しても相手を思いやり、そうやってときめきを失わずにいられるなんて、素敵だなって思った。


私も仁とそうなりたい。




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